これから新興バイオ銘柄を中心にアップデートしていきます。
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■サンバイオがSB623に関して実施した治験
①TBI:2群(シャムコントロールとSB623)の試験→効果ありと昨年11月に発表
②慢性脳梗塞:P1/2a試験
(脳梗塞患者18名,3用量(L(細胞250万)6名,M(細胞500万)6名,H(細胞1000万6名))
③慢性脳梗塞:P2b試験(脳梗塞患者:脳梗塞患者163名,3用量(シャムコントロール,L(細胞250万), M(細胞500万)=1:1:1)
■今回の失敗要因
1. 治験デザインの問題
成功した②と今回の③は選ぶ患者が異なっていた。30ヶ月(2.5年),発症からの時間を延長。(早く多くの患者を集めるために対象を拡大=効果が出にくいリスク増える)
・成功した②:脳梗塞発症6ヶ月-60ヶ月(5年後)まで
・ 失敗した③:脳梗塞発症6ヶ月―90ヶ月(7.5年後)まで
2. オペを伴う試験は術者の技量も関係する(TBIの2倍以上の施設数。術者への教育への留意が必要)
3. P2aのシングルアーム試験は当てにならない?
成功した②では、前後比較で有意差が出ていたが、失敗した③のように比較試験では出ない可能性大。また、有効性が用量依存となっていない=確実な有効性の根拠が不足。
4.そもそも脳梗塞慢性期はプラセボ効果も大きい(リハビリの影響+脳梗塞発症から長い)
今回はすごい騒ぎになっていたが、治験開発では有効性でない可能性だって十分にある。P1/2aで有効性のデータが得られていたが、対象群なしの試験デザインだったこと、失敗考察に書いたように慢性期脳梗塞はプラセボとの差が付きにくいリスクがある(プラセボの人がリハビリ頑張っちゃたり・・)。新興バイオは夢もあるが知識や情報が不十分の投資はキケン。
(もう少し詳しく)
1.P1/2a試験のFugel-Meyer-Motor Scale(FMMS)の結果
FMMSがベースラインから10以上改善することが“臨床的に意味のある改善”と定義。
「SB623投与1年後に,FMMSはベースラインから11.4ポイント上昇(改善)した」が有効性の結論。(ベースラインのFMMSスコア平均=30.4)
・このP1/2a試験に対照群(シャムコントロール)は設定していない
・SB623は3用量(細胞数:L(250万),M(500万),H(1000万),いずれも6名,計18名)の結果を纏めたもの
・FMMSがベースラインから10ポイント以上改善した患者さんは7名(7/18=39%)
・論文から「安全性は3用量で差がなかった」ことは読み取れるが,「3用量の有効性の違い」は読み取れず
2.今回失敗した脳梗塞,P2b試験(163名,3用量(シャムコントロール,L(250万), M(500万))
主要評価項目:「投与6ヶ月に,FMMSがベースラインから10ポイント以上改善した患者さんの割合」と定義しています.(ベースラインのFMMSスコア平均=不明)
・投与1年後のデータもサンバイオは入手済
3.昨年11月に結果が出た「外傷性脳損傷(TBI)」P2試験(52名,4用量(①シャムコントロール,②L(250万),③M(500万),④H(1000万))
・有効性について,「投与1年後に,FMMSのベースラインからの改善度は,SB623投与群(3用量をプール)で8.7点,シャムコントロールで2.4点(統計的有意差あり)」と発表しています.(ベースラインのFMMSスコア平均=不明)
・統計的有意差はついているが、100点中6点の差の臨床的意義はどうなのか、気になるところ・・・。
■今後の期待。サンバイオは買い?
1. TBI試験への影響
2.慢性脳梗塞試験の再起はあるのか?
3. 今後の注目
4. サンバイオは買いか売りか?
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