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① NYダウ、ナスダック、S&P500(週次)
・NYダウ ▲1.99%、ナスダック ▲3.53%、S&P500 ▲2.88%
・米主要3指数全て、2週連続で下落
・7日はロシア産原油の輸入が禁止される可能性を受けて原油価格が高騰し、インフレ懸念が高まり、主要株価3指数が大幅続落。ナスダックは新型コロナウイルスのパンデミックが世界経済に打撃を与えた2020年以来の、弱気相場入りが確認された。
・8日はバイデン米大統領は急速なペースで展開するウクライナ危機を巡る状況を背景に、ウクライナに侵攻したロシアに対する圧力を高めるため、ロシア産の原油や天然ガス・石炭の輸入を禁止すると表明し、続落した。
・10日発表の米CPIでは、前年同月比で大幅上昇、伸び率は約40年ぶりの大きさとなった。予想を上回る米インフレ指標やその後のFRB当局者の発言を受け、FRBがより積極的に利上げを行うのではないかとの懸念が高まり、大幅下落した。テスラやエヌビディア、マイクロソフトなど時価総額が大きいグロース株が売られた。一方、米企業の四半期決算は引き続き好調。決算を発表したS&P500のうち78%がアナリスト予想を上回った。
・S&P500は週間ベースでは1月21日終了週以来の大幅な下げとなった。
・長期金利は2.008%。FRBによる来週の利上げがほぼ確実視される中、ロシアのプーチン大統領のウクライナとの停戦交渉に関し、やや進展があったとの発言が材料となり、上昇した。
・ロシアとウクライナとの協議で一定の進展があったというプーチン大統領の発言が材料視され、1ドル117円台前半と上昇、5年ぶり高値を付けた。
・米国原油は109.33ドル。 ウクライナ情勢の影響による世界のエネルギー供給不足に警戒感が強まる中、3日ぶりに反発した。週間では下落。
・ゴールドはロシアのプーチン大統領の発言を受けたウクライナとの停戦期待を背景に、1985.00ドルと反落した。週間でが上昇した。
→米企業業績は好調も、地政学リスクにより、引き続き弱気の相場となるのか。米金利動向と併せて、相場方向性を判断。
② 日経平均(週次)
・▲3.17%
・4週連続で下落
・引き続き地政学リスクや米金融引き締めの米国株式に追随してリスクオフ。
・7日は原油価格の急騰を受け、世界経済の減速が警戒され、一時下げ幅を1000円近くに拡大、2020年11月以来の安値で引けた。
・10日は原油価格の高騰が一服したことで、資源高が世界の景気を冷やすことへの過度な警戒感が和らぎ、幅広い銘柄が買い戻され、5営業ぶりに大幅に反発した。米国市場での大幅株高や、ウクライナ情勢の好転への期待も支えになり、上昇幅は1000円近くと昨年来で最大となった。
・11日は前日の大幅高の反動のほか、アジア株の急落も重しとなり、日経平均は一時700円超安まで下落した。
・ソフトバンクグループや東京エレクトロン、ファーストリテイリングの下げが指数の重しとなり、押し下げた。一方、INPEXは堅調だった。
→地政学リスクが残るも、FOMCが終わった後は金融政策に対する不透明感がやや和らぎ、日本株のPERは大きく下回って反発がみられる水準に到達しており、比較的株価を見直す動きが強まりそうか
③ マザーズ
・▲7.53%
・大幅下落
・10日の米国株式市場の下落を受け、地合いが再び悪化。メルカリは2020年5月以来の安値を付けるなど、マザーズ大型株が大幅下落、指数を押し下げた
→テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、新興株はロングする局面ではないか
④ 中国
・▲4.00%
・下落
・7日はエスカレートするウクライナ危機とコモディティー価格高を受けた世界的な株安に連れ、大幅続落した。国内で新型コロナウイルスが再流行していることもセンチメントを圧迫した。中国の李克強首相が不動産セクターに対する追加措置見通しを確認した。9日も続落し、CSI300は2020年6月30日以来の安値となった。
・10日はロシアとウクライナの協議への期待を背景とした世界的株高に追随し、反発した。
・11日は米証券取引委員会(SEC)が監査問題を巡り上場廃止リスクがあるニューヨーク上場の中国企業5社を挙げたことをきっかけに前場は値を下げていたが、後場に切り返した。中国証券監督管理委員会(CSRC、証監会)は引けに先立ち、証券監督に関して米国側と合意に達すると確信していると表明した。
・中国不動産開発の龍光、S&Pが「CCC-」に格下げ、再編の恐れ
→依然として中国株には警戒
⑤ その他
(ウクライナ・ロシア戦争)
・トーマスグリーンフィールド米国連大使は11日、ロシアが国連安全保障理事会の会合を利用して侵攻したウクライナでの戦闘行為について偽情報を広めているほか、3週目に入った戦争でロシアが化学・生物兵器使用を計画している恐れがあると警告した
・バイデン氏は11日、フィラデルフィアで演説し、「ウクライナへの支援を提供する中で、引き続き欧州の同盟国と結束し、NATO加盟国の領土は徹底的に守るとの明白なメッセージを送る方針だ」と発言。「仮に彼らがいったん行動に出て、われわれが応じた場合、それは第3次世界大戦だが、われわれにはNATO加盟国の領土に関する神聖な義務がある」と論じた
・ロシアは今月16日にドル建て債で1億1700万ドル相当の利払い日を迎えるが、現地通貨で支払われればCDSの決済の引き金となる可能性がある
・ロシア資産いつ処分すべきか、350億円がゼロの恐れ。米最大年金カルパースに難題。5000億ドルを運用するカルパースにとって、こうした金額が合わさっても深刻な評価損にはならない。ただ、同基金内部で行われている議論は、ウクライナの人道危機拡大への対処の仕方を検討する際、米国の全ての年金基金、寄付基金、企業リーダーが直面する課題を浮き彫りにしている。カルパースでの一つの大きな疑問は、同基金がロシア株を手放す場合、それを数日あるいは数週間、数カ月の単位で行うべきか、というものだ。その答えは、評価額引き下げの大きさや、こうした資産の最終的な価格に影響を及ぼすだろう
・「NEXT FUNDS ロシア株式指数・RTS連動型上場投信」の売買停止に関する9日の発表は、全世界のロシア株ETFの取引が現在停止あるいは近く停止されることを意味する。こうした売買停止はアラブの春や新型コロナ禍といった重大事でも決して起こらなかった
・ドイツ銀行は、ロシアのウクライナ侵攻を受けてロシア事業を縮小する意向を明らかにした。従来の方針から転換し、米ゴールドマン・サックス・グループとJPモルガン・チェースに追随する
・三菱UFJ銀行などメガバンク3行は、モスクワ駐在員らをロシア国外に原則退避させる方針を11日までに決めた。業務は継続
・ロシアのウクライナ侵攻を受け、花王や日産自動車をはじめとする複数の日本企業が11日、ロシア事業を一時停止すると新たに表明した。これまでに同国での事業見直しを発表したファーストリテイリングや資生堂などに続き、ロシア離れの動きが広がっている
・ロシアは撤退する外国企業を接収へ、5日以内の営業再開か売却迫る
・ロシアの富豪ロマン・アブラモビッチ氏の投資先である複数の米ヘッジファンド会社は、同氏の資産凍結を命じられた、とWSJが報じた。英国が同氏を制裁対象に追加したためという
・ブラックロックはロシアへのエクスポージャーで170億ドル損失と報道
・ニッケル生産会社である青山控股集団の創業者、項光達氏が積み上げた15万トン超のショートポジションのうち、約5万トンはJPモルガンとの相対取引を通じて構築された。この数字に基づけば、青山は7日時点でJPモルガンに10億ドル前後の追加証拠金を支払う必要があったことになる
・ロシア経済は類いまれなスピードで悪化、侵攻からわずか2週間で
(米金融引き締め)
・ゴールドマンは米成長率予想を下方修正、リセッション確率20~35%
(コロナ)
・WHOの公衆衛生専門家が、新型コロナウイルスによる世界的危機の終息をいつ、どのように宣言するかの話し合いを始めた。同ウイルスの出現から2年余りを経て、重要な節目を探る展開
(国内)
・パナソニックの新型電池の性能、テスラが求める水準に達している、とパナソニックエナジー社長
・トヨタは4月国内生産を計画比約2割減へ
・「森のたまご」のイセ食品が更生手続きで負債計453億円と帝国データバンクが発表
3月の相場方向
・米国市場の長期金利、株式の動きに引き続き注目
・来週3月15日(火)、FOMC(~16日(水))
・3月16日、パウエルFRB議長会見
・3月17日(木)、日銀金融政策決定会合(~3月18日(金))
・3月18日(金)、黒田日銀総裁会見
・パウエルFRB議長は、インフレ抑制のため0.25ポイントの利上げを提案し、一連の利上げ局面に入ることを支持すると事前の議会証言で明らかにしている。また、量的引き締め(QT)に関する議論などには触れていないため、FOMCで基本的に大きな驚きは出なさそうとの観測
・株価の変動要因はウクライナ情勢だが、ロシアが核施設を攻撃したことで市場で想定される範囲の「陰の極」は見たとの指摘
・市場では、ロシアとウクライナの停戦に向けた明確な材料がない限り、株価は荒い値動きを続けるとの見方が優勢
・「ニュースに左右される相場になっており、こうした相場は不確実性が高い局面で起こる」との指摘あり。「不透明感は常にあるが、その不透明感が通常よりも高いと一つ一つのニュースがいずれの方向にも過大解釈される傾向がある」
・米国は、プーチン大統領にウクライナ侵攻の代償を負わせるため、輸出規制を武器に先端産業や高性能兵器に必要な技術からロシアを締め出す取り組みを主導している。コンピューターや半導体、センサーなどの各メーカーはそのために、ロシアへの出荷を停止せざるを得なくなった。
・米大手企業の多くはさらに踏み込み、ロシアへの技術提供を事実上ボイコットしている。こうした取り組みはウクライナの指導者らも後押ししており、その背景には、技術やデジタルプラットフォームへのアクセスを奪う事でロシア国民を抗議行動に駆り立て、プーチン氏の軍事行動を弱体化させようとの狙いがある。
・しかし、これほどの規模でテクノロジーから孤立させる試みは前例がなく、ロシア国民1億4500万人が最終的にどんな反応を示すかも分からない。
・ロシア人を各種オンラインサービスから締め出せば、反戦デモを組織しようとする民主活動家を妨害することになりかねない。インターネットの分断化がさらに進み、検閲や偽情報拡散がこれまで以上に悪化するリスクもある。
・恐らく最も重要な点は、米国の競合国である中国にロシアを接近させる恐れがあることだろう。中国はロシアにとって最大の電子機器供給国だ。ロシアが輸入する半導体の3分の1、コンピューターとスマートフォン輸入では半分以上を中国製が占めている。
・米軍事ストラテジストのピーター・シンガー氏は、ロシアに対するハイテク封鎖で最大のハードルは中国の存在になるだろうと指摘。「ロシアが技術的に完全に孤立することはないとみられる。ロシアには巨大な戦略的パートナーが存在し、利益獲得を狙って傍観者の立場を取っている」との観測あり